歴史的にも東洋と西洋のはざまで、激動の時代をくぐり抜けてきた香港。今年、イギリスから中国へ香港返還20周年を迎え、日本のアーティストからも注目をあびています。

香港では、アジア最大のアートフェア・アートバーゼルが開催されたり、数年後にはビジュアルアートを集めた巨大な美術館・M+がオープンする予定で、アジアにおける現代アートの中心地になりつつあります。

その一方で、古い倉庫街や郊外の工業ビルに、突如オルタナティブスペースが誕生したり、アトリエをかまえるアーティストやクリエイターがいたり、アートギャラリーとレストランが一緒になった不思議な空間があったり…ふと見過ごしてしてしまいそうな街の一角に、インターナショナルな雰囲気とローカルな空気感がハイブリッドされた、香港ならではの魅力を活かした新たなクリエイティブカルチャーが根づきはじめています。

そんな香港のクリエイティブやファッションを勝手に紹介する香港好きグループが、私たちハピネス香港です。香港と日本の交錯から生まれるハッピーな未来を、一緒にクリエイションしたいという気持ちで、このプロジェクトを企画しました。

ファッションとアートの境を行き来しているのが、私たちも大好きな たなかみさきさんと、同じく香港のリトルサンダーさんでした。企画をお話したところ、お二人とも快諾いただき下記のようなコメントをいただいています。

"私のイラストを海外から発信させていただくのは今回が初めてとはいえ、いつも作品を発信するインスタグラムは世界中の方がみてくださるツールなので、今までの画面の中の反応から実際に香港に行き、アジアの人に直接作品に触れてもらうという試みにとてもドキドキしております。私自身香港の鮮やかでエキゾチックな夜の雰囲気、街の賑わい、古いと新しいが混在する文化にとても惹かれ、私の描くイラストともマッチしていると思います。香港の空気に触れて、リトルサンダーさんの住む香港に寄り添い馴染むような、現地でしかできない作品作りができればと思っています。"

たなかみさきさんのインスタは、ずっと前からフォローしてました。そしていつも友人にオススメもしてました。しかし、今回このような機会に巡り会えるとは思ってもいませんでした。とても信じられません！

たなかみさきさんは素晴らしい色彩感覚を持っていて、強い自己欲求をとてもナチュラルに表現されます。彼女はきっと日々の生活とドローイングへの情熱があることを、それが品の良い活き活きとしたイラストから感じ取れます。本当に才能があって誠実だからこそできる表現ですし、彼女自身を絵に投影できる稀有なアーティストだと思います。

私は日本に住んでいませんが、いつも日本の女性に感動を覚えています。独立心があり自信に満ちている。競争心はあるけれど女性らしさを失わない。彼女たちは私が考える「本当のセクシー」であり、たなかみさきさんの絵からは、いつもそれを感じとることができます。

日本でも、香港でも、ちょっと息苦しい世の中になってきたと言われています。

でも、どんな辛いさなかであっても、私たちは勝手に妄想を始めてしまうし、それは誰にも止められない私だけの自由。

インスタの中には日本も海外もなくて。ふとした瞬間に想像はどこまでも広がる。そしてそれはすごいスピードで過ぎ去ってしまう。

いろんなものがぼやけて、流されて。私たちはどこにたどり着くのだろうか？

激動のドラマの舞台であり、現実を前にもがく女の子たちをいつの時代も受け入れてきた、眠らない港街「香港」。今の私たちの気分をそこにしっかりと刻めたら、私たちの記憶も存在も、世界の誰かの新しい妄想につながるかもしれない。

お二人には香港のPMQという施設の壁に、即興でコラージュアート・パフォーマンスを行っていただきます。

PMQは、イギリス統治時代に建てられた歴史的建築をリノベーションした複合文化施設。現代の女の子から熱い支持を受ける二人が、そんな歴史ある施設で、未来のための作品を残せるなんて、ちょっとドキドキです。

PMQがあるのは、SOHO(ソーホー)と呼ばれるエリア。周辺にはアートギャラリー、セレクトショップ、レストランやバーなどが数多く立ち並ぶ、クリエイティブな活気にあふれた街です。ストリートを使ったイベントも開催されるなど、古い歴史と現代のトレンド、香港のローカルな暮らしと外国の文化が混ざり合う、新しい香港のカルチャー発信地になっています。

いつもめまぐるしくなにかが動きつづける街。ハイアートからストリートカルチャーまで、ダイナミックな動きをみせる香港。あなたの協力で、そんな躍動する香港のクリエイティブなカルチャーに混じりたい。あなたの次の香港旅行も、ちょっと楽しくなるかも。